アコムのおまとめローンのメリット・デメリット
アコムは貸金業法に基づく借り換え専用ローン、つまり「おまとめローン」を提供している大手の消費者金融業者のひとつです。
借金の額が膨らんでしまってどうしようもないときに、アコムを利用しているならアコムのおまとめローンを使えないか検討してみましょう。
アコムのおまとめローンの基本的な情報
基本のスペック
いわゆる「おまとめローン」は正式には「貸金業法に基づく借り換え専用ローン」といいます。多くの消費者金融業者で提供されていますが、これは複数の業者から借入して返済に困っている人のためのローンで、ローンの返済先を1つに絞って生活の再建を目指します。
金利 |
7 .7%~18.0% |
---|---|
審査スピード |
最短1時間 |
担保・保証人 |
不要 |
融資額 |
1万円~300万円 |
返済方式 |
元利均等返済方式 |
返済回数 |
2回~162回 |
申し込み条件 |
20歳以上の安定した収入と返済能力のある人 |
注意したいのは、対象となるのが「無担保貸付」と呼ばれるローン商品のみという点と、申し込みできるのがアコムの既存会員のみであるという点です。また、カードローンではないので追加の借入はできません。
上限金利は通常のアコムのローンとか変わりません。低金利での借り換えと考えるのであれば、多少審査は厳しくなりますが、銀行系のローンを選びましょう。アコムの長所は貸金業者であるため、審査が銀行に比較すると若干緩めという点です。
対象は貸金業者からの借入のみ
アコムのおまとめローンでまとめられるのは、無担保貸付、つまり貸金業者からの借入のみという点です。
- アコムやアイフル、プロミスなどの消費者金融業者
- クレジットカードのキャッシング枠
銀行のカードローンの借入や、ショッピング枠のリボ払いなどを含む債務は対象になっていないので注意しましょう。
アコム | 銀行系 | |
---|---|---|
消費者金融業者 | ○ | ○ |
銀行のカードローン | × | ○ |
クレジットカードのキャッシング枠 | ○ | ○ |
クレジットカードのショッピング枠 | × | ○ |
質屋からの借入 | × | 相談次第 |
アコムのおまとめローンは一応、総量規制の対象外ですが、そもそもまとめることができるのが消費者金融業者からの借入であるため、総量規制の範囲内になっているはずです。そうなると、あまり利用価値がなさそうですが、それでも複数の業者からの借入をまとめることができるのはメリットです。
たとえば年収が360万円ある人は、総量規制からすると120万円の借入が可能です。これを複数の業者から借りていて金利が18%であるとき、120万円をアコムでまとめると、金利は必ず15%以内になります。
貸金業法では100万円以上の貸付では金利は15%以内と決まっているからです。
アコムのユーザーであること
アコムのおまとめローンを利用できるのは、基本的にすでにアコムを利用している人です。既存の会員であって、おまとめローン申し込みのときに滞りなく返済できていることが条件となります。
このことは多くのユーザーがアコムへ直接問い合わせており、「アコムとの契約がないときにはおまとめローンは活用できない」という回答を得ています。
おまとめローンの申し込みで気になるのが、審査に通過できるかどうかですが、これも口コミ情報と呼べるものがアコムのおまとめローンに関してほとんど見られません。
銀行の借入をまとめることができないことや、既存会員しか申し込めないなどといった条件面での折り合いがつかない人が多いと推測されます。評価が出るほどの利用者がそもそもいない可能性が高いです。
一方、もしアコムの既存会員であって今までに遅延なく返済している実績があるなら、審査には充分通る可能性があります。まずは貸金業者のローンを1本化して返済実績を積んで、そこから銀行のおまとめローンの審査を受けるという方法も選択できます。
総量規制の例外貸付
アコムの借り換え専用ローンは貸金業法で定められている総量規制の例外貸付です。そのため、借入額が年収の3分の1を超えていても借りることができます。
とはいっても、そもそも貸金業者からの借入以外はまとめることができないため、「年収の3分の1以上」を借りていることは考えにくいでしょう。
利用価値があるのは、アコムなどの貸金業者から借りて返済している最中に、転職などによって年収が少なくなってしまったというケースです。このとき、転職して少なくなった年収のままで借りていると、収入証明書の提示を求められたときに総量規制に抵触している貸付とみなされてしまいます。
こうなった場合には、アコムのおまとめローンで貸金業者の借入をまとめることには意義があるでしょう。
アコムのおまとめローンの気になるところ
金利はどうなる?
アコムのおまとめローンの金利は「7.7%~18.0%」と表示されており、かなりの幅があります。ただ、上限金利である18.0%が適用されることは少ないという情報があります。
おまとめローンでは、通常「加重平均金利マイナス1%」という金利が適用されます。
加重平均金利とは、条件の異なる金利のローンに対して借入額から平均の金利を割り出したものです。複数の借入額の利息の総額を計算して割り出して借入総額で割ったものを算出して平均の金利とします。
- アコムでの借入→20万円・金利18%
- 他社A社での借入→30万円・金利16%
- 他社B社での借入→40万円・金利15%
20万円×18%+30万円×16%+40万円×15%=14万4000円
このとき、3社の年間利息総額は14万4000円となります。それを借入した総額で割ります。
14万4000円÷90万円=16%
この16%が加重平均金利です。
アコムのおまとめローンではここから1%を差し引いた15%を適用するというのがルールです。ただ、この加重平均金利から下がるとは限りません。審査次第では現在よりも金利の負担が増える可能性もあります。
アコムとしてはできる限り下げる努力はしますが、予想よりも金利が高く出てしまったときには、申し込みを断ることも出来ます。
在籍確認は?
アコムのおまとめローンは基本的に元来アコムの会員である人が対象です。そのため、初回契約のときにすでに在籍確認はしています。とはいっても、審査の状況によっては既存の会員でも在籍確認をすることがあります。
金利に関しても、在籍確認に関しても慎重に審査する姿勢と推測されます。
おまとめローンは融資額が大きく、返済期間も長いローンです。そのため、業者としても貸し倒れリスクに備えていると考えられます。実際にアコムの会員でおまとめローンを申し込んだら、在籍確認の電話が掛かってきたという報告も寄せられています。
アコムは当初の申し込みで書類による在籍確認にも対応していますので、相談次第では在籍確認の電話連絡なしで契約できる可能性もあります。ただし、通常のカードローンよりも審査は多少慎重になっていますので、こだわらないほうが賢明。
希望額以下になることがある?
また、申込者が希望する額に満たない限度額で可決する可能性もあります。審査結果が出てみないと分からない部分ですが、希望額に満たない限度額で審査通過とするということもあります。
他業者のおまとめローンでは、「おまとめができる・できない」と二択しか結果が出ないところもありますが、アコムの場合にはいったん審査は可決させて限度額を下げることがありえます。審査の結果を見て希望額通りでなかった場合には契約を断ることもできます。
また、アコムのおまとめローンは利用者名義で他社へ振込することになっていますが、これも場合によっては利用者本人が借入先に事前連絡しなければならないこともあります。
利用者本人の名義で振込をするので、借入先の了承は不要と考えるのが普通ですが、これも審査によっては変わってくる可能性があります。アコムがいったん一括で貸付を行って、利用者が自分で個別に返済するという手続きになることもあります。
アコムのおまとめローンの契約まで
おおまかな流れ
アコムのおまとめローンはインターネット経由の申し込みには対応していません。基本的には電話か来店によって申し込みします。公式ホームページを見ても、おまとめローンの申し込みではフリーコールへ連絡するように記載されています。
連絡のうえで実店舗か自動契約機に行くというのが基本です。
このとき、借入状況を詳しく報告します。手元に明細書などを用意したうえで連絡しましょう。フリーコールでは担当者から必要書類を伝えられますので、間違いなく準備します。
この流れで、早ければ申し込み当日に融資まで実行できます。おまとめローンは高額の融資ですが、それでも即日で契約できるのはアコムならではのスピードです。
もし自宅の近くにアコムの店舗・無人契約機がない場合には、郵送での契約もできます。郵送物のやり取りになると契約完了までは多少の時間がかかります。
必要書類は?
アコムの公式ホームページにも、必要書類が詳しく記載されています。状況によっては提出する書類が増えることもあるので、最初の電話連絡の時点で担当者に良く確認しておきましょう。
3つのうち、いずれか点 |
運転免許証 |
---|---|
個人番号カード(写真付き) |
|
写真付き書類がないとき
以下の書類も必要
|
|
その他 |
引落口座の分かるもの(キャッシュカードまたは通帳)口座の届出印 |
公的な書類は基本的に顔写真入りのものが必要です。ないときには健康保険証で代用しますが、そのときにはもう1点書類が必要となるので注意しましょう。
また、書類の住所と現住所が異なっているときには、現在の住所が記載された以下の書類のいずれかを併せて用意します。
- 住民票
- 公共料金の領収書→電気・ガス・水道・固定電話・NHK
- 納税証明書
発行日から6ヶ月以内のものに限ります。また、おまとめローンの申し込みでは収入証明書が必要です。
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 税類通知書
- 所得証明書
- 給与明細書
返済方法は?
アコムのおまとめローンの返済方法は基本的に「毎月6日の口座自動引落」のみです。ローンカードは発行されません。おまとめローンは「契約ごと1回のみの借入」というローンです。住宅ローンやマイカーローンと同様の扱いです。
注意したいのは、毎月の返済額や返済回数を担当者と相談のうえで決定するという点です。そのため、現在自分にいくらの借入があり、予想される金利ではどの程度の期間でいくら毎月返済することになるのかシミュレーションしておく必要があります。
アコムの公式ホームページにも返済シミュレーターがありますので、それを使ってみるのも良いでしょう。
返済回数 |
借入100万円 |
借入200万円 |
|
---|---|---|---|
24回 |
毎月の返済額 |
4万8,486円 |
9万6,973円 |
返済総額 |
116万3668円 |
232万7,348円 |
|
48回 |
毎月の返済額 |
2万7,830円 |
5万5,661円 |
返済総額 |
133万5,856円 |
267万1,728円 |
|
72回 |
毎月の返済額 |
2万1,145円 |
4万2,290円 |
返済総額 |
155万2,381円 |
304万4,834円 |
|
120回 |
毎月の返済額 |
1万6,133円 |
3万2,266円 |
返済総額 |
193万5,960円 |
387万2,060円 |
アコムのおまとめローンの最長の返済回数は162回です。13年7ヶ月になります。
上記の表からも分かるように、100万円をまとめて24回で返済すれば116万円程度で済みますが、120回で払うと194万円近くも支払うことになります。これは元金の約2倍です。
確かに毎月の返済の負担は減りますが、その分だけ総返済額は増えます。いったんは返済を楽にしておいて、自動引落だけでなく銀行振込を使って繰り上げ返済するというのも良い方法でしょう。繰り上げ返済についてはアコムに問い合わせておきましょう。
アコムのおまとめローンの注意点
アコムに限らず、消費者金融業者で提供されるおまとめローンは「返済専用」です。いったん借りたら、後は返済する一方になります。アコムの場合にはローンカードも発行されないので、まったく借りることはできません。
また、借り換え専用ローンは基本的に総量規制を超えて借りることができるものですが、これを使って借入を1つにまとめたときの借りた分は総量規制の対象となります。
たとえば年収300万円の人が、アコムでの借入50万円と他社の借入50万円をアコムでまとめたとすると、ここでちょうど総量規制ギリギリの100万円を借りたことになります。この段階で貸金業者から新たな借入はできなくなります。
人によっては、転職などによって年収が下がってしまい、今までの借入を個別に返済することが困難になり、おまとめローンでしのぐということもあるでしょう。このとき、おまとめローンで組んだ借入額が年収の3分の1以上であるとき、他社からの借入はできなくなります。注意しましょう。
おまとめローンは本来的には返済の負担を減らして生活の再建を目指すためのものです。ただ、シミュレーションしても分かるように、実際にはトータルで支払う利息が元々借りていたときより増えてしまうこともあります。
ここで、現在の借入額と利息額、アコムのおまとめしてから支払う利息を詳しく計算しておく必要があります。多くの消費者金融業者では「限度額100万円未満の契約では金利18%を採用すること」を覚えておきましょう。
おまとめする金額の合計が100万円未満なのか100万円以上なのかによって、かなりの違いが出てきます。というのも、1社につき借入額が100万円を超えたときには金利は15%が上限で、もしアコムでおまとめローンを組んだらもっと低い金利になる可能性があります。
このとき、金利はどのくらいになり、返済回数を何回にするのかによって総返済額に違いが出てきます。
たとえば、アコムと別業者でそれぞれ50万円ずつ借入しているとき、金利は18%が適用されており、年間の利息は18万円となります。これをアコムでまとめて金利15%を適用してもらい、24回で返済すれば利息のトータルは16万円余りとなり、まとめたほうがお得です。
これを72回で返済すると、毎月の返済額は2万円程度で負担は減りますが、利息のトータルは55万円を超えます。これなら個別に分けて返済していた元のパターンのほうが利息は低くなります。
アコムの公式ホームページに用意されている返済シミュレーターなどを使ってしっかり計算してみて、お得に返済できるように考えてみましょう。いったん審査を受けてみて結果として出てきた金利から判断してもいいでしょう。
金利については多少の交渉の余地もあります。「もう少し低くしてもらえたら契約できる」と言えば、アコムのほうでも考慮します。
おまとめローンもアコムのローン商品ですので、通常のカードローンと同様、信用情報に傷があったり他社での返済の遅れがあると審査に落ちやすくなります。
- 過去にアコムで問題を起こしたことがある
過去にアコムで問題を起こしたことがあるとき、たとえ信用情報機関でのネガティブ登録が抹消されてもアコムの社内ブラックの状態になっていることがあります。この場合は審査に通りにくくなります。
アコムへの返済を第三者に肩代わりしてもらったことがあるとか、アコムへの返済を延滞したことがあるなどといった場合、信用情報としてはブラック状態になりますが、5年ほど経つと解消します。
この後にアコムの会員となっても、おまとめローンのような高額の借入の審査には通らないことがあります。
- 借入件数が5件以上
借入件数はおまとめローンでは重視される要素のひとつです。借入件数が多いからまとめたいと考えるわけですが、あまりに多いとおまとめの対象にできません。
一般的なカードローンでは4件目の申し込みは審査に通過するのは困難となりますが、おまとめローンの場合には5件が限界と言われています。
アコムを含めて5件の借入があるとき、審査では非常に不利です。もし借入件数が多いときには、借入額が少ないものを返済して解約しておくなどの処置を採りましょう。
- 新規の場合
これまでにアコムを利用したことがない人は、アコムのおまとめローンの審査には通りにくいです。というのも、それまでの取引の実績がないためアコムと申込者との間に信用関係が構築されていないからです。
これは多くの消費者金融業者でも同じで、おまとめローンだけ他の業者に依頼しようと考えるよりも、現在利用している最中のところに依頼したほうが審査の通過率は高い傾向があります。
まとめ
アコムのおまとめローンは銀行のカードローンには使えないなど多少の制約はありますが、審査が早い点はメリットです。他社と比較しながら検討しましょう。