おまとめローン後にもう一度入れはできるのかを解説しました!
おまとめローンは今までの借り入れを一本化するローンです。その返済中に再度借り入れができるかどうかは契約にもよりますが不可能ではありません。ただし総量規制には注意しましょう。
おまとめローンは再度借り入れできないローン
おまとめローンは基本的に返済専用のローンで、カードローンのように借りたり返済したりを繰り返すことができません。
そもそも、おまとめローンを利用するということは、「通常のローンでの借り入れを1つにまとめる」「おまとめ専用のローンで一本化する」ということですので、本来的な使い方は1回限りの利用で、借り入れしたら返済するだけというのが正しい方法です。
複数の金融機関からお金を借りているとき、いつどこにどのくらいの返済をしたら良いのか、管理も大変ですし、それぞれに金利がかかるので無駄が生じます。その借り入れを1つにまとめて完済しやすくするというのが、おまとめローンの目的ですので、返済専用になるのは当然と言えるでしょう。
複数のローンを抱えている人の申し込みが前提となっているので、他社借り入れがあること自体は審査結果に影響しにくいですが、その代わりに利用目的は現在の借金の借り換えに限定されます。
カードローンなら、たとえば100万円の限度枠があったとき50万円を借りて10万円返済すれば、単純計算であと60万円借りることができますが、おまとめローンはそういった使い方はできません。
おまとめローンを使ったとき、その業者から追加で借り入れすることはできませんが、おまとめローンを利用した後に他の業者・銀行でローンを利用することはできます。とはいえ、契約上違反になることもあるので注意しましょう。
通常、おまとめローンの契約では一本化した業者に対しては返済するだけの関係になりますが、契約違反にならない限り他社のローンを利用は可能です。
おまとめローンを利用した後に、急に現金が必要になって手元に持ち合わせがないときに、たとえば別のカードローンに申し込んで新規借り入れすることができます。審査に通りさえすれば、新しく別の業者と契約を交わして借り入れすることは問題ありません。
ただ、すでにおまとめローンを利用していることは審査で大きな影響があるので注意しましょう。選ぶなら消費者金融業者のカードローンのほうが審査が柔軟であるだけ銀行よりも使い勝手はいいでしょう。
多くの業者が「30日間無利息サービス」を設けています。その期間中なら、利息ゼロ円で利用できますので、必要な分だけ借りてすぐ返済するならうってつけと言っていいでしょう。
他にも消費者金融業者なら即日融資ができるところが多いですし、50万円以下なら収入証明書の提示が必要ないため、少額を素早く用意するには、消費者金融業者のほうが優れています。
注意したいのは、おまとめローンを利用したときの「おまとめ先」となった金融機関のカードの再利用です。おまとめローンを使った時点で、今までのローンは完済されています。そのため、解約していなければ以前と同様に限度額の範囲内で何度でも再利用できます。
すでにそのカードローンの審査には通っていますので、審査を受けずに利用できるのはメリットでしょう。ただ、おまとめローンを使う際に契約で「おまとめ先のカードローンの解約」が条件となっている場合には、解約していなければ契約違反となります。
契約違反が発覚すると、おまとめローンの借入先の業者から借り入れ残高の一括返済を求められることがあります。もし、おまとめローンを使った後の万が一の事態に備えておきたいという人は、おまとめローンを検討している業者・銀行に確認しておくようにしましょう。
おまとめ先のローンの完済と解約がおまとめローンの利用条件となっているときには、完済したカードの再利用は絶対にやめましょう。
ローンの一括返済を求められて、返済できなければブラックリストに載ることになります。多重債務状態の脱却が目的でおまとめローンを使ったときには、完全に本末転倒になってしまいます。
銀行が提供するおまとめローンを利用できることもあるでしょう。審査には若干の厳しさはありますが、金利面でお得なので利用価値は高いものがあります。
銀行のおまとめローンを使った後に再度借り入れする場合には注意したいことがあります。すべての銀行とは言えませんが、一部の銀行ではおまとめローンを申し込むときに利用限度額が決められることがあります。
この「利用限度額」と借入残高が異なるケースでは、追加で借り入れができません。
たとえば利用限度額は100万円として、融資額が200万円というおまとめローンを銀行が提供することがあります。そうなると、200万円は融資されて、それでおまとめ先に返済はできても、利用限度額以上を使っているという扱いになります。
200万円融資されても、返済を続けていれば借入残高は利用限度額の100万円を切っていくことになります。利用残高が90万円になったとき、10万円の枠が残るので、その範囲内で借り入れできます。
おまとめローンは借り入れの全額返済を目指すローンです。追加で借りられるからといって、また借りてしまうと負担が増えてしまって支払いもきつくなってきます。できれば、完済するまで絶対に借りないという強い意志を持ちましょう。
おまとめローンを使って複数の業者・銀行のローンを一括で返済すると、それまでの借入先では完済という扱いになります。借りたお金を全額返済したわけですので、その業者・銀行からすると高い評価が与えられることになります。
業者は、完済した顧客を優良顧客と考えるので、融資枠を拡大しても大丈夫と判断することがあります。おまとめローンで完済しただけなので、おまとめローンを利用した本人にはまだ債務は残っていますが、業者からすると完済したお客さんなので融資枠を拡大してもっと借りてもらいたいと考えます。
- 「完済していただいたので、限度枠の拡大ができます」
- 「融資枠を増やしました」
- 「金利を下げることができます」
などといった電話を掛けてきます。
営業マンはお金を貸すプロですので話も巧みです。いい気分になって、つい借りてしまうという事態に陥ってしまいます。
多重債務状態になっておまとめローンを使っても、こういった状況になってまた多重債務に陥る人は大勢います。ネットでもこういった失敗事例は数多く寄せられています。それまで借金して生活することが当たり前になっているので、その癖が抜けきれていないのです。
本当に融資が必要なときだけ、必要最小限のお金を借りるだけにとどめましょう。
おまとめローン利用後に再度借り入れするには
総量規制に注意
おまとめローンのメリットは、総量規制対象外という点でしょう。通常、カードローンでは年収の3分の1以上は借りることができません。ところが、おまとめローンはその対象外として例外的に年収の3分の1を超える額の借り入れが可能です。
ここで注意したいのは、おまとめローン自体は総量規制対象外ですが、おまとめした後のローンの残高は総量規制の対象となるということです。
総量規制を超えた額をおまとめしたとき、借入残高がその人の年収から見て3分の1を下回らないとまったく借りることができないという点は覚えておきたいところです。
たとえば年収が300万円の人がおまとめローンを利用するとき、以下のように考えます。
- A社から50万円、B社から50万円、C社から20万円の借り入れがあった。
- 合計120万円をおまとめローンで返済した。
- D社に120万円の借り入れ残高がある。
おまとめローンは総量規制対象外ですから、120万円をおまとめローンで一括して借り入れすることが可能です。ところが、借りた120万円は総量規制の対象として算入するため、この場合は20万円以上を返済して、借入残高を100万円以内にしないと新たな借り入れはできません。
おまとめローンの残高が90万円になったら、この人は10万円しか借りることができないというのが総量規制です。
おまとめローンの残高を減らしておこう
おまとめローン自体は総量規制を超えた額を借りることができますが、借りた後は総量規制の対象となります。そのため、年収の3分の1以上を借りることができません。
もし、おまとめローンの返済中に他社へ新しくローンを申し込むときには、ローンの残高を年収の3分の1以下にまで減らしておく必要があります。申し込みの際に「他社借入」を申告するときには、おまとめローンの残債も正しく報告する必要があります。
年収300万円の人がおまとめローンで年収の3分の1以上である100万円以上の額を借りたとき、それを一気に返済するというのは困難でしょう。その備えとしては、新規に申し込みする前に繰り上げ返済しておくことです。
繰り上げ返済は、毎月の返済額とは別に追加で入金することです。おまとめローンの返済はおおよその場合で口座振替でしょう。毎月決まった額を淡々と返済していくのがおまとめローンです。返済額は契約時に設定された通りに最後まで引き落としされます。
これに加えて余裕のあるときに多めに返済することが可能です。カードが発行されることもありますし、連絡の上で返済額を増額することもできます。繰り上げ返済しておくと、ローンの残高は確実に減らすことができます。
利用するうえでの注意
1.借り入れする額は最小限に
おまとめローン利用中に新規で借入をするときには、できるだけ利用額を低くして申し込みましょう。
たとえば生活費の5万円が足りないといったときには、おおよその消費者金融業者での最低契約額である10万円で申し込みします。
2.虚偽申告しない
おまとめローンの残高を少なく申告して新規申し込みをするのは絶対にNGです。金融機関は個人情報機関の利用によって情報を共有しています。他社借入を虚偽申告すると、ほぼ100%嘘と発覚します。
虚偽申告は発覚した時点で審査は打ち切られます。また、ローンの残高を正確に理解せずに適用な金額で申し込みをするのも虚偽申告として扱われます。注意しましょう。
3.借り入れ診断を使ってみよう
自分のローンの状況を正しく把握し、これで借りることができるかどうかを判断するために、業者のホームページに設けられている「借入診断」や「お試し診断」などを利用してみましょう。
これは仮審査に直結しているものもありますが、大手が提供しているものは、ほとんど関係ありません。お試し診断で「借入できない」と結果が出たら、まず審査に通過できる可能性はありません。
おまとめローン利用後の再度借り入れ、それは本当に必要?
契約違反になっていないか
おまとめローンを利用したということは、それまで複数の業者から借入があってそれを一本化したということです。おまとめローンは法律で定められた貸出で、目的は多重債務状態から脱することです。
貸す側は、金利面で譲歩して借りるほうに有利となるように契約して貸しています。そのため、返済先が1つになるだけでなく毎月の負担も減ります。返済を楽にして生活を再建するというのが、おまとめローンの目的です。
収入として得たお金を返済に回して、残った分で生活するという習慣を身につけることが第一目標となるべきでしょう。
とはいっても、また生活費が足りなくなったり、急な出費があったりすることもあります。そのとき、今までなら「借りればいい」と考えていた習慣をやめて、他の方法でどうにかして対応していく必要があります。このときに、言ってみれば「自分が試されている」と考えられます。
業者によっては、他社から新たに借入の契約を交わすことを契約違反としているところも多くあります。もし新たにお金を借りて、それを返済できるのであればおまとめローンを組んだほうに早めに返すべきというのは、理屈のうえでも通っています。
もし利用規約に「他社から借入しないこと」とされている場合には、最後まで守りましょう。
空いた枠を再利用して大丈夫?
おまとめローンは、いったん他業者のローンを完済します。そのため、そのローンの利用限度額はまるごと余っていることになります。そのため、何かのときにお金が足りなくなったら簡単に借りることができてしまいます。
「空いた融資枠でまた借りてしまう」というのは、おまとめローンで最も多い失敗パターンと言われています。法律のうえでは、空いた枠で借りることには何の問題もありません。
そこで、おまとめローンを組んでほっとしたところに緊急の用立てがあったとき、持っているもので乗り切るのではなく、つい借りてしまうのです。
おまとめローンの返済をしているということは、おまとめ対象となったローンの返済はある意味で終わっていません。ところが、ローンの枠は空いています。そこでまた借りてしまうと、さらに借入残高は増えてしまいます。
以前よりも状況が悪化する可能性もあります。完済した業者のカードはすぐに解約しておき、新たに契約をしないようにしましょう。
もし何かの用立てが必要になったら、おまとめローンを組んでいる業者に相談しましょう。借入先は1つのままで最後まで返済できます。
新規申し込みやリボ払い
おまとめローンを組んで、返済を続けているうちに残債が総量規制の枠内に収まるようになります。年収300万円の人が、おまとめローンの返済を続けていくうちに残高100万円以内になったら総量規制のうえでは問題ありません。
すると、その人の個人属性などの条件を満たしていれば新規でカードローンの申し込みをすることが可能になります。
また、クレジットカードのキャッシング枠も空いていることになるでしょう。このとき、ふとしたきっかけでまた借入してしまうことがあります。クレジットカードのショッピング枠もつい使ってしまいがちです。
目の前に欲しいものがあって、それをカードで支払える状況にあるとき、今まで借金をして支払ってきた人は、つい手が出てしまいます。
おまとめローンもクレジットカードもすべて借金です。新規で申し込まないのと同様、今までのカードのリボ払いも復活させないようにしましょう。どうしても利用したいときには「翌月一括払い」にしましょう。リボ払いは絶対NGです。
もし、何かお金が必要な状況で手持ちがないときには、いったん「それは本当に必要か」と自問自答してみましょう。なしで済ませられるのであれば、借金生活から脱却するためにも、じっと我慢することが大切です。
貸付自粛制度というのもある
いったんおまとめローンで今までの借入を一本化することに成功したら、もう借入するのは止めたいところです。おまとめローンはその目的のために法律で特別に定められた借入だからです。
ただ、どうしても借金癖が抜けないという人もいるでしょう。今まで借りるのが当たり前だったので、また借りてしまうのではないかと心配になる人もいます。もう二度と借金したくないが、借金の誘惑に負けそうだという人におすすめの手段が貸付自粛制度です。
これは自分から借入契約を結べないようにする制度です。申告して個人信用情報機関に登録すると、貸金業者や銀行からまったく借入できなくなります。自分からブラックリストに入る感覚です。自分で自分を追い込んで借金生活から抜け出すための措置です。
具体的には日本信用情報機構と株式会社CICに自ら郵送などで申込書を送って登録します。詳しくは、貸金業相談紛争解決センターなどに連絡して相談してみましょう。法テラスでも相談を受け付けています。
まとめ
おまとめローンを利用した後でも、再度借り入れすることは可能です。とはいえ、契約で禁止されていることもあるので注意しましょう。借り入れするときには、それは本当に必要なお金かどうかしっかり判断することが大切です。