おまとめ専門のおまとめローンとは?
おまとめローンといっても、銀行が提供するものもあれば消費者金融業者がローン商品として揃えているものもあります。そのなかでも、「おまとめ専用ローン」にはいくつものメリットがあります。
おまとめローン専用とは?
おまとめに使えるローンには3つのタイプがある
1.おまとめ専用ローン
おまとめ専用ローンは、消費者金融や銀行で取り扱いのあるローンのうち、「資金の使途が既存借入の完済」となっているローンのことです。
既存借入といっても、消費者金融とクレジットカードのキャッシングの返済のみに対応しているなど、資金使途を制限しているものもあります。このときは銀行のカードローンは対象外です。借入には多少の条件が付きますが、計画的に完済できるというメリットがあります。
- アイフル「おまとめMAX」「かりかえMAX」
- 東京スター銀行「スターワン乗り換えローン」
2.フリーローン
銀行が提供している資金使途が自由なの高額融資のローンを「おまとめローン」として活用できることがあります。フリーローンといっても、既存借入の返済には対応していないものも、おまとめ目的の利用ができる商品もあります。
おまとめ目的のフリーローンは総量規制の適用を受けないので、借入額が高額になってしまったときの一本化として利用しやすいローンです。設定金利の幅も広く、消費者金融に比較して低金利で借入できる可能性もあります。
ただし、審査が厳しかったり、借入までに時間がかかったりすることがあるので注意しましょう。おまとめ対応のフリーローンの取り扱いのある銀行は限られますので、利用は良く事前に検討しておきましょう。
- イオン銀行「イオンアシストプラン」
- オリックス銀行「オリックスVIPフリーローン」
3.カードローン
カードローンの一部にもおまとめローンとして利用できるものがあります。カードローンすべてが他社借入の返済に利用できるわけではないので、検討する際には注意しましょう。
カードローンの金利は幅広く設定されており、おまとめ専用ローンと比べると低金利で借りることが可能なこともあります。
審査次第ですが、かなりの低金利で利用できることがあります。借入限度額も高めの設定であることが多く、個人属性に自信のある人には使いやすいローンでしょう。ネットバンクのカードローンは金利も低く、狙い目のひとつです。
- 千葉銀行「ちばぎんカードローン」
- ソニー銀行「カードローンMoney Kit」
- 三井住友銀行「カードローン」
カードローンの弱点
銀行や信販会社のカードローンのなかには、おまとめ対応の商品も数多くありますが、いくつか使いにくい面があります。こういったカードローンは「既存借入の返済に使ってもいい」というだけであって、それ以外では普通のカードローンと変わりません。
使いみちは事業性のある資金以外であれば自由です。限度額の範囲内で何度でも借入が可能です。
そのため、借金する癖を治す効果はありません。おまとめ専用ローンなら、既存借入の返済以外の使いみちがなく、いったん借りたら後は返済するだけですので、借金生活から脱する効果的なメソッドとなりますが、カードローンでは自力でやっていくしかありません。
今後もローンを利用したいと考えている人には金利が低いことからおすすめできます。
また、おまとめローンにも利用できるカードローンは限度額を高めに希望するほど、審査も厳しくなります。消費者金融業者が提供するおまとめ専用ローンに比較すると格段に審査には通りにくいです。
専用ローンの強み
カードローンやフリーローンも、おまとめローンとして使うことができるため、低金利で有利なローンとして検討の価値はあります。ただ、すでに複数の金融機関から借入があって、総量規制を気にしなければならないという状態のとき、銀行のローンに申し込んでも厳しい結果しか出ないことが想定されます。
借入件数が多く希望借入額も大きいとき、金融機関からすると貸し倒れリスクが高まるからです。その点、おまとめ専用ローンは「複数借入のある人向け」のローンであるため、審査もそれに見合った基準で実施しています。
すでに他社からの借入が多い人が同じ金融機関でカードローンとおまとめ専用ローンを申し込んだ場合、おまとめ専用ローンのほうが審査に通りやすいです。
金融機関からすると、おまとめ専用ローンはいったん借りたら返済だけを行うローンですので、何度も貸付をしなければならないカードローンよりもリスクは少ないことから、審査に通しやすくなります。もし審査に通過することを最重要課題とするなら、おまとめ専用ローンのほうがベターな選択です。
銀行のおまとめ専用ローンのメリット・デメリット
銀行のおまとめローンのメリットは、金利が下がって返済しやすくなることでしょう。この目的だけで銀行を使うという人もいます。消費者金融業者からの借入を銀行でおまとめすると、ほとんど確実に金利面では有利になります。
借入先 |
借入額 |
金利 |
1ヶ月の利息 |
---|---|---|---|
アコム |
50万円 |
18.0% |
7,397円 |
プロミス |
50万円 |
17.8% |
7,315円 |
2つの業者からの借入しているときの利息は合計で1万4712円となります。
借入先 |
借入額 |
金利 |
1ヶ月の利息 |
---|---|---|---|
東京スター銀行「スターワン乗り換えローン」 |
100万円 |
12.5% |
1万416円 |
1ヶ月あたりの利息は4296円減ります。
このように、消費者金融からの借入は銀行のおまとめローンを使えばほとんど確実に金利を下げることが可能です。1ヶ月の利息は数千円でも、数年かけて返済していると、最終的な返済総額はかなり違ってきます。
銀行のおまとめローンのメリットとして、もうひとつには「多くのローンのまとめられる」点があります。消費者金融業者のおまとめローンは消費者金融とクレジットカードのキャッシングのみに対応しているケースがほとんどですが、銀行のおまとめローンは多くのローン商品のおまとめが可能です。
- 他の銀行のローン
- 消費者金融業者のローン
- 信販会社のリボ払い、分割払い、キャッシング
- クレジットカード会社のキャッシング、リボ払い、分割払い
- 信用金庫、信用組合、労働金庫
審査にさえ通過できれば、こういったローンを一括して返済することができるようになります。おまとめローンの検討をしている人は、すでに毎月何回も「返済日」がやってきている状態でしょう。それが月に1回で済むのは返済の管理もぐっと簡単になりますし、精神的に楽になります。
銀行のおまとめローンというと審査が厳しいのが一般的ですが、一部の地方銀行のフリーローンやおまとめローンは審査が柔軟で、意外に通りやすいケースがあります。
申込者の個人属性や借入状況、また銀行のローンの審査基準などでもまったく異なってきますが、地方銀行の提供するおまとめローンは狙い目のひとつです。
近年ではネット経由で全国から申し込みができる地方銀行のローンもありますが、地元の人のみを対象にしている銀行であって、「おまとめに利用可能」としっかり明記されているものには、審査が柔軟である可能性があります。
目安となるのは金利です。銀行のローンは通常、消費者金融業者に比較して金利は低めの設定ですが、審査の通りやすいローンには「金利が高め」という共通項があります。
限度額が300万円から500万円程度で、最高金利が15%程度に設定されているものは、審査が通りやすい傾向があります。銀行のおまとめローンなので、多くの借入先に対応しています。
消費者金融業者のおまとめ専用ローンはどう?
審査に通りやすく、金利は高い
消費者金融業者のおまとめローンは、基本的に返済のみのローンです。業者のほうで、利用者名義で他社の債務を代理で返済して、利用者は完済するまでずっと返済を続けます。
借金しては返済するという行為を繰り返しやっている人は、借金している状態が普通になってしまっていますので、この専用ローンを使うと借金する癖を治して、自分の給与だけで充分に生活できるまでに回復させることが可能です。
消費者金融業者を利用するメリットは審査が銀行よりも軽めという点です。消費者金融業者が提供するおまとめローンは、「貸金業法に基づく借り換え」であるため、通常のローンとは審査の基準そのものが違います。
「今の多重債務から抜け出すには、何はともあれおまとめローンの審査に通るしかない」と考えている人にとっては、その大前提となる部分で銀行よりも審査で有利です。ただ、金利は銀行よりも高めになります。貸金業法で定められている金利のほぼ上限となることが多くあります。
審査を受ける際に担当者に交渉することも可能ですが、それでも限界はあります。審査に通りやすく、金利が高いというのが消費者金融業者の提供するおまとめ専用ローンの特徴です。
アイフルは銀行のローンもまとめられる
消費者金融業者のおまとめローンで問題となるもののひとつが、おまとめ先に制限があるという点です。消費者金融のおまとめローン・借り換えローンは、あくまで貸金業法が適用される範囲内のローンにしか使えないことが多く、その点で不便です。
貸金業法が適用されるローンは、消費者金融業者のローンとクレジットカードのキャッシング枠での借入の2種類です。銀行のローンやカードのショッピング枠の借入は貸金業法の及ぶ範囲外ですので、通常は消費者金融のおまとめローンではおまとめ対象外となります。
このデメリットを解消したのがアイフルのおまとめローンです。「おまとめMAX」「かりかえMAX」の2種類とも、銀行のカードローンやショッピングリボ払いのおまとめが可能です。
プロミスとアコムは借入先が限定される
一方、プロミスとアコムのおまとめ専用ローンは、借入先が消費者金融とクレジットカードのキャッシング枠の2つに限定されます。
たとえばプロミスのユーザーが同時にアコムと三井住友銀行のカードローン、楽天銀行のカードでショッピングをしていたとき、アコムの借り換えローンでまとめられるのは、プロミスとアコムの2社からの借入だけです。三井住友銀行と楽天銀行の債務はまとめることはできません。信用金庫や労働金庫、JAなどからの借入もプロミスとアコムは対応していません。
その分、使いにくいとも言えます。ただし、審査は非常に柔軟です。長期の延滞の記録がなく、信用情報に問題がなければかなり高い確率で審査には通ります。総量規制を超えて消費者金融業者から借りることのできる数少ない例のひとつで、審査はこのローン独自のものを適用します。
プロミスもアコムも、申し込んでその日のうちに借入先に入金してもらうことが可能です。いったんアコムで消費者金融とカードキャッシングだけまとめておいて、返済を楽にして落ち着いてから今後の方針を考えるというのも良い使い方です。
おまとめ専門ローン会社がある
審査が柔軟
ノンバンクと呼ばれる銀行以外の民間の金融機関には、専門分野に特化した業者が数多くあります。不動産担保ローン専門会社もあれば、個人事業主向けのビジネスローンを主力商品とする会社もあります。
こういった会社の特徴として、審査が柔軟であるという点があります。総量規制スレスレで借りていた人、返済の遅延や延滞を繰り返している人、ローンの延滞で解約されたことのある人など、通常の審査では通過できないような人に対してもおまとめローンの融資をします。
債務整理を経験したことがあり、いわゆる「街金」から借入しているという場合でもおまとめローンを提供します。大手の消費者金融業者のおまとめローンにはすべて断られた人でも審査に通すことがあり、かなり独自性が感じられる審査をしています。
融資まで時間がかかることがある
こういったおまとめローン専門会社には、融資まで時間がかかるというデメリットがあります。大手の消費者金融業者であるプロミスやアコムは申し込んで即日で融資を受けることも可能ですが、おまとめ専門会社では融資が実行されるまでに時間がかかります。
他では断られるような人でも顧客として受け入れる業者ですので、審査はかなり慎重に行っていると考えられます。1週間なら早いほうで、1ヶ月くらい待たされるのは珍しくありません。
店頭で直接申し込むと多少早くなりますが、それでも即日融資は困難というのが、おまとめ専門会社です。審査そのものは柔軟な対応をしてくれますので、大手はどこも貸してくれないが闇金に手を出したくはないという人には良い選択肢でしょう。
弁護士やNPOを紹介するところには注意
大手の消費者金融業者におまとめローンを申し込んでも審査で否決されてしまったというとき、「おまとめ 中小」などで検索すると多くの業者がヒットします。そういったなかには、地方限定でおまとめローンを取り扱うといったユニークな業者がたくさんあり、利用を検討する価値は充分にあります。
ただ、なかには申し込みをして審査は一応するものの、審査に通過させずに債務整理専門の法律事務所やNPO団体などを紹介する業者も多数あることが報告されています。
おまとめローン専門会社として良く知られている「スペース」という業者のホームページにも「消費者金融のなかにも、理由のはっきりしない保証料や申し込みのときに他社を数件紹介して紹介料を要求する会社もある」と記載されています。
中小の消費者金融業者から弁護士や法律事務所、何らかの金融関連の団体を紹介しようと言われても、必ず断るようにしましょう。
まとめ
おまとめ専用のローンには、審査に通りやすいというメリットがあります。おまとめ対象となる債務が限定されるといったデメリットもありますが、借入の一本化が先決というケースもあります。