低金利のおまとめローンってあるの?
おまとめローンは返済期間が長くなる傾向があるため、なるべく低金利のところで契約するほうがお得に利用できます。とはいっても金利が低いほど審査も厳しめになるので、選択は難しいものがあります。
おまとめローン・高金利の業者と低金利の銀行
銀行と消費者金融業者の比較
おまとめローンと一口に言っても、実は銀行が提供するものと消費者金融業者が提供するものには明確な違いがあります。法律上の制限も違いますし、審査や金利などについてもかなり異なっており、選択では悩ましいところでしょう。
|
銀行 |
消費者金融業者 |
---|---|---|
金利 |
低めの設定 |
高めの設定 |
申し込み条件 |
厳格 |
カードローンより厳しい |
審査 |
厳格・厳密 |
カードローンより厳しめ |
融資までの時間< |
1週間から3週間ほど |
最短で2日 |
総量規制 |
対象外 |
対象外 |
返済期間 |
銀行によって異なる |
5年~10年 |
一般的にローン商品には「金利が高いと審査は緩く、金利が低いと審査は厳しい」という傾向がありますが、おまとめローンではそれが顕著です。銀行も消費者金融業者も一長一短で、どちらが良いか判断には個人差があるでしょう。
ただ、おまとめローンを利用するときに優先しなければならないのは、現在の借金で苦しい状態を打開することです。借金がどんどん膨らんでいる状態は放置していると、いずれ自己破産や個人再生という道をたどるしかありません。
いったん法的な措置で債務整理すると、5年から10年はどこからも借入はできなくなります。おまとめローンには、その状態に至る以前の「救済措置」という意味合いがあります。
借金が膨らんで、もう債務整理しかないという状態になる前に利用するのが、おまとめローンの本来的な主旨です。
低金利の銀行
メリット
銀行のおまとめローンのメリットはなんといっても、金利が低いという点です。たとえば東京スター銀行の提供するおまとめローンは金利が12.5%の固定金利です。
横浜銀行や千葉銀行といった地方銀行が提供するものは非常に金利面で有利で、なかには池田泉州銀行の「4.375%または2.875%」と超低金利のローンもあります。
また、銀行が提供するローンは「追加で融資を受ける」ことが可能というものが多くあります。通常は借り換え目的で借りるときには、追加で融資されることはありませんが、銀行のローンでは契約次第で可能となります。
デメリット
低金利で借りることのできる銀行のおまとめローンですが、これらに共通するには審査の基準がかなり高いという点です。金利が低く、また担保や保証人がいないことから審査は厳しいものとなり、その人が毎月しっかりと返済を続けられる人であるかどうかを厳しく審査されます。
おまとめローンですので融資額も高額になります。銀行からすると、すでに返済が苦しくなっている状況への貸付ですので、貸付金の回収が不能になるリスクがあります。そのリスクを少しでも低くするために、基準を厳しくしていることは充分に推測可能です。
高金利の消費者金融業者
メリット
消費者金融業者が提供するおまとめローンのメリットのひとつは返済専用であるという点です。これは一見するとデメリットのようですが、実際には「借金断ち」をするのに大いに役立ちます。複数の業者から借入している人の多くは、借金で暮らすことが当たり前になっています。
借りるお金を当てにして生活しており、借りているのが当然という状態です。こういった状態にはいつか限界が来ます。そのときに債務整理ではなく、自分で返済して借金癖をなくしたいとするとき、返済専用のおまとめローンを利用することには価値があるでしょう。
また、消費者金融業者のローンはいずれも審査が銀行に比較して早いというメリットがあります。早いところは申し込みをして、その日のうちに借入先への返済を振込融資という形で済ませることが可能です。
デメリット
消費者金融業者でおまとめローンを使うデメリットは金利の高さです。審査のハードルは銀行よりも低いのは確かですが、金利面では大きく劣ります。
銀行が年率10%程度からそれ以下まであるのに対して、消費者金融業者のおまとめローンの金利は17.5%程度から18%と、通常のローンとあまり変わりません。
低いレベルでは3%や6%のものもありますが、こういった低金利が適用されるのはまれな事例です。口コミ情報によると、金利は良くても12%で高いときには15%を適用されます。
15%というと、100万円を普通に借入したときの最高金利ですので、決して低いとは言えないでしょう。とはいっても、借入件数が減るのはメリットです。
ろうきんという選択肢
一般的には馴染みのない金融機関の労働金庫ですが、ここが提供しているおまとめローンは非常に有利です。ろうきんは全国に13ヶ所存在しており、労働金庫法という独自の法律に基づいて運営されています。特徴的なのは、営利目的ではないという点です。
民間の労働組合や消費生活協同組合などによって組織されており、「はたらく人の金融機関」として機能しています。労働者がお互いを助け合うために資金を出し合うという互助システムで運営されています。愛称として「ろうきん」を使っています。
ろうきんのおまとめローンは上限金利が8%を下回るという超低金利で、総量規制の対象外であり、団体の会員であればさらに金利が優遇されるという点で、非常に魅力的です。
ただ、審査には時間がかかり、基準が厳しいというデメリットはあります。ろうきんは知名度は低いですが、かなり幅広い人たちが利用可能です。調べてみる価値は充分にあります。
銀行のおまとめローンは低金利
りそな銀行・りそなプレミアムフリーローン
利用条件
りそな銀行が提供している「りそなプレミアムフリーローン」は様々な資金使途を許容しており、おまとめや借り換えとしても利用可能です。
- 申込時の年齢が20歳から59歳。
- 安定した収入がある。
- 前年度の年収が400万円以上ある。
- 契約手続きまでにりそな銀行の口座を開設している。
この条件を満たしていればパートでもアルバイトでも申し込むことが可能です。収入のハードルが高いですが、金利や限度額でかなり有利に借入できます。
金利
このローンの最大の魅力は6%という超低金利です。金利の低い個人向けローン商品は数多くありますが、そのなかでもトップクラスの低金利と言っていいでしょう。
ネットバンクは人件費が安いので金利を低く抑えたローンが多くありますが、それでも金利6%を実現しているものは珍しく、大手の都市銀行でこのレベルの金利を提供しているのはここだけです。
限度額
限度額は100万円から500万円です。おまとめローンや借り換えローンとして利用するにあたっても充分な限度額でしょう。
ただ、融資額は審査次第です。実際にどの程度借りることができるのかは審査を受けてみないと分かりません。
追加借入できない
りそなプレミアムカードローンは、いわゆるカードローンではなく「フリーローン」です。カードローンの場合には限度額の範囲内で好きなときに追加借入できますが、このローンはいったん借りたら以後は返済するだけです。
追加で借りることができないので、確実に借金を減らすことができます。
清水銀行しみずピアカードローン
利用条件
清水銀行は静岡県に本拠地を置く地方銀行です。地方銀行のローンは、その銀行の営業エリアに居住または勤務していないと利用できませんが、しみずピアカードローンはネット経由で手続きすれば全国から利用可能です。
資金使途に制限がないのでおまとめにも借り換えにも利用できます。
- 申込時の年齢が20歳から64歳。
- 安定した収入がある。
- 契約手続きまでに清水銀行に口座を開設する。
安定した収入なら、パートやアルバイトでも申し込みできます。契約には清水銀行の口座が必要ですが、「清水みなとインターネット支店」の口座ならネット上で開設可能です。
金利と限度額
しみずピアカードローンの金利は2.8%から9.8%とかなりの低金利を実現しています。金利は利用限度額に応じて変動するシステムになっています。
限度額 | 金利 |
---|---|
50万円 | 9.8% |
100万円 | 9.8% |
200万円 | 9.0% |
300万円 | 7.0% |
400万円 | 5.0% |
500万円 | 3.8% |
1,000万円 | 2.8% |
限度額 | 金利 |
---|---|
50万円 | 9.8% |
100万円 | 9.8% |
200万円 | 9.0% |
300万円 | 7.0% |
300万円を超える額を希望するときには、来店による契約が必須です。来店なしでネット上だけで手続きをするときには、限度額は最大で300万円、金利は7%が下限となるので注意しましょう。
東京スター銀行スターワンバンクローン
利用条件
東京スター銀行は「おまとめローンの銀行」として高い知名度があります。地方銀行ですがネット上で手続きできます。
- 申込時の年齢が20歳から64歳。
- 安定した収入のある給与所得者であること(正社員・契約社員・派遣社員)。
- 前年度の年収が200万円以上であること。
- 申し込みの日から数えて過去6ヶ月以内に東京スター銀行のローン審査で否決されていないこと。
- 本審査までに東京スター銀行に口座を開設すること。
注意したいのは、給与所得者でないと申し込みできないという点です。パートやアルバイト、自営業者などは利用できません。過去6ヶ月以内に東京スター銀行の他のローンで審査落ちしていないことも重要です。
東京スター銀行に口座を持っていないときには、本審査までに開設しなければならないというのも、ネックのひとつと言えるでしょう。せっかく口座を開いたのに、審査で否決されては個人情報を渡しただけで終わることになってしまいます。
金利と限度額
東京スター銀行のおまとめローンの金利は「7.8%から9.8%」です。適用金利がどの程度になるのかは審査を受けてみないと分かりませんが、上限でも9.8%なのでかなり低い金利と言っていいでしょう。
利用限度額は300万円から1000万円となっており、無担保・無保証人でおまとめローンに利用できるローンとしては最高の水準です。
低金利のおまとめローンを利用するコツ
低金利のおまとめローンを利用するにあたっては、利息の総額としていくら支払うことになるのか比較することが重要です。おまとめローンは毎回の返済の負担は楽になりますが支払期間が長く、金利のちょっとした違いが大きな差となって現れることがあるからです。
たとえば消費者金融業者の借り換え専用ローンと、りそな銀行・清水銀行・東京スター銀行のおまとめローンを比較すると以下のようになります。金利は上限金利が適用されるものとします。
金融機関 | 金利 | 利息総額 | 返済期間 |
---|---|---|---|
りそな銀行「りそなプレミアムカードローン」 | 6.0% | 15万3,580円 | 4年10ヶ月 |
清水銀行「しみずピアカードローン」 | 9.8% | 29万472円 | 5年5ヶ月 |
東京スター銀行「のりかえローン」 | 9.8% | 29万472円 | 5年5ヶ月 |
アコム「借り換え専用ローン」 | 15.0% | 57万9,052円 | 6年7ヶ月 |
借入額が同じなら、金利が低いほど返済は早く利息も安くなります。りそな銀行とアコムでは42万以上もの利息の差があります。
この差は借入する額が多くなるほど大きくなり、借入額が200万円で毎月の返済額を4万円としたとき、りそな銀行とアコムとの利息の差は85万円以上も開きます。
おまとめローンは借入額が大きいローンです。金利がちょとでも高ければ最終的な支払額が大きくなることは、おまとめローンを選択する際に頭に入れておきたいところです。
キャッシングやローンを使ってお金を借りたとき、最も大切なのは「早めに完済する」ことです。通常、ローンでは借入額や借入残高に応じた最少の返済額が設定され、その額以上を毎月支払っていきます。
ただ、これはあくまで最少なのであって、この額ぴったりを支払っているだけではローンはなかなか完済できません。金融機関としても、なるべく長く支払い続けてもらったほうが利息収入が大きいため、利用者が支払えるギリギリのところで最少返済額を設定して返済期間を延ばすようにしています。
おまとめローンは利用額が大きく、返済期間も長いローンです。そのため、いつまで経ってもまったく終わらないという気持ちになって精神的にもあまり健全ではなくなることがあります。最少返済額よりも多めの額を返済していくと、どんどん元金が減っていくので返済のモチベーションも高まります。
たとえば、りそな銀行のプレミアムカードローンを繰り上げ返済していくことを考えてみましょう。
金利 |
借入額 |
毎月の返済額 |
利息総額 |
返済期間 |
---|---|---|---|---|
6% |
50万円 |
1万円 |
7万6,771円 |
4年10ヶ月 |
1万1,000円 |
6万8,620円 |
4年4ヶ月 |
||
1万2,000円 |
6万2,057円 |
3年11ヶ月 |
||
1万3,000円 |
5万6,660円 |
3年7ヶ月 |
||
1万4,000円 |
5万2,152円 |
3年4ヶ月 |
||
1万5,000円 |
4万8,319円 |
3年1ヶ月 |
毎月1000円多く返済するだけで利息総額は約1万円違います。毎月の返済額を1.5倍にすると、利息の総額は約40%節約できて、返済期間は1年9ヶ月も短くなります。
低金利のおまとめローンを使いたくても、審査が厳しくて通らないかもしれないという心配を持っている人は多いでしょう。できるだけ金利が低いところで借り換えておまとめの効果を実感したいところですが、審査になかなか通らないと悩むというのは良くあることです。
低金利のおまとめローンを利用するには、とにかく審査に通る必要があります。もしおまとめする件数が多かったり、おまとめする金額が大きかったりするときには、いったん審査の通りやすいローンでまとめてみましょう。
たとえばアイフルとアコム、オリックスから40万円ずつ借入しているとき、借入総額は120万円です。これをいきなり低金利のローンでまとめるのではなく、いったんアコムの借り換え専用ローンでアイフルとアコムの借入をまとめてみましょう。
すると借入件数が1つ減ります。残った2件の返済を続けて借入残高が合計で100万円になったときに、低金利のおまとめローンの審査を受けます。
「借入件数3件・借入総額120万円」よりも「借入件数2件・借入総額100万円」のほうが審査にはぐっと通りやすくなります。
おまとめローンのメリット
返済先が1つになる
おまとめローンを利用するメリットの最も大きなものは、返済先が1つになるという点でしょう。おまとめローンを活用したいということは、すでに何件かの業者や銀行から借入をしており、毎月何度も返済日がやってきているはずです。
毎月、銀行の残高を気にしながら次にやってくる返済のためにATMに行ってお金を引き出して入金するということを何度も繰り返しやっています。手数料もバカにならない額を払っています。
この手間が1つに済むというのは、数件の業者から借りているのであれば理解できるでしょう。おまとめローンの多くは口座振替で返済します。毎月1回だけ給料日などの近い日に返済日を設定しておけば、後は自動的に借金の額が減ってきます。
金利は絶対に安くなる
おまとめローンは、「顧客に一方的に有利になる借り換え」です。そのため、金利は必ず低くなります。金利が低くなって返済の負担を減らすことが法律としても義務付けられているからです。
金利の設定が元々低い銀行のおまとめローンに乗り換えることができれば、それだけで消費者金融業者の金利よりも安くなります。多くの業者では、借入額100万円までは金利が18%に設定されていますが、100万円を超えたら利息制限法によって金利は15%になります。
金利が低くなって、返済先が1つにまとまるだけで精神的にも余裕が出てきます。
返済負担が減る
おまとめローンを利用すると、毎月業者へ返済していた返済額が減ります。これも法律として定められており、借り換えは必ず毎月の負担を軽減します。返済額が減る代わりに返済期間が長くなるので、利息の総額は大きくなりますが、いったん生活は楽になって心の余裕が生まれます。
毎月の返済額はたった1000円増やすだけでも、利息の総額は少なくなります。「今月はちょっと多めに返そう」という余裕も、いったんおまとめローンを利用できているからこそ生まれるものです。
まとめ
低金利のおまとめローンは審査次第ですが、借り入れできればかなりの負担の軽減になります。金利が低い分、審査は厳しくなりますが、検討してみる価値はあるでしょう。