街金のおまとめローンについて

 

街金と呼ばれる中小の業者にもおまとめローンの取り扱いのある業者があります。大手よりも借りやすいところもたくさんあり、使うメリットは充分にあるでしょう。

 

「街金」とはどういった業者か

大手5社を除く消費者金融業者

街金というのは、中小規模の消費者金融業者のことを指します。中小といっても複数の店舗を展開しているところもあり、大手との違いが明確にあるわけではありません。

 

一般的には以下の5つの大手以外の業者を街金や中小業者と読んでいます。
  1. プロミス
  2. アコム
  3. アイフル
  4. SMBCモビット
  5. レイクALSA

 

さらに中小の業者は以下の2種類に分けることができます。

 

中堅業者

大手ほどではないにしても、複数の店舗を展開しており、それなりの規模も持っている業者。信頼性は高く返済方式をある程度選択することができ、インターネット申し込みで全国に対応していることが多い。

 

小規模業者

主に1つの都道府県内に本社と支店があり、店舗窓口で申し込みや借り入れの相談ができる業者。返済手段が豊富ではなく不便な面はあるものの、親身に相談に乗ってくれるところが多い。

 

街金といっても、闇金とは違います。闇金は金融庁から認可されていない違法営業の金融業者ですが、街金は金融業として認可されている正規の業者で、貸金業法を遵守しています。

 

単に大手ほどの知名度がないというだけで、受けられるサービスの基本的な部分に変わりはありません。取り立てで怖い人が出てきて脅されるなどといったことはありませんし、法外な高金利で貸付することもありません。

 

大手とは違う独自の審査基準がある

街金は大手よりも審査に通りやすいと言われています。といっても、審査で重視する点で大きく違うことはありません。大手であっても街金であっても、利用者が「毎月しっかり返済できるか」「お金の貸し借りにおいて信頼できる人なのか」を審査します。

 

ただ、街金は大手で審査落ちしてしまって借りることができないという人に貸付をするというのが基本的な姿勢です。というのも、消費者金融業界は大手の寡占化が激しい業界のひとつで、一部の大手の業者は良く知られていても、それ以外になるとまったく名前も知らないという状態だからです。

 

知名度や規模、サービスで大手に勝てるセールスポイントを街金は持っていないので、大手の審査で否決された人を顧客として拾っていくという営業方針にならざるを得ません。

 

そのため街金では、大手業者の機械的でオートマチックな審査で落とされた人に対して、少しでもプラスに評価できる部分を担当者が見極めて貸付を行っています。

 

ただし、街金も貸金業法にのっとって営業している業者ですので、信用情報のチェックは必ず行います。信用情報によって分かる他社借入や返済の遅延といった事実の確認は、審査では非常に重視されます。

 

この点では大手も街金も変わりません。もし信用情報の照会をしない業者があったら、その時点で非正規の闇金業者を疑う必要があります。

 

街金が大手と違うのは、信用情報を照会したうえでそれをどう審査に反映させるかという点です。信用情報に多少の問題があるからといって、すぐに審査落ちさせることはありません。

 

直近の返済状況に問題がなく、返済能力があると認められたら、審査に通過できる可能性が残されています。

 

担当者と面談するところもある

街金に限らず、金融業者では具体的に何を審査の基準とするのかを公表することはありません。また、その業者と申込者の相性もあります。実際に申し込んでみて審査を受けてみないと分からない部分は多くあります。

 

街金では担当者の経験のふまえた感覚が審査の結果を左右することが多くあります。担当者が「この人は大丈夫だ」と思ったら貸付を実行するという具合です。

 

ベテランの審査担当者が「こういう人は多少生活に困窮しても、返済は頑張ってくれるものだ」と判断したら審査に通過できます。大手の審査がデジタル審査とするなら、街金の審査はアナログ審査と言ってもいいでしょう。

 

街金の多くが、来店必須となっています。申し込んだ人が担当者と直接面談して審査をします。このときに申込者の人柄を見たうえで判断を下しています。たとえ信用情報に問題がある人でも、担当者が大丈夫だと判断したら審査に通ります。

 

申込者の人柄込みの審査ということですので、街金業者への申し込みで面談する際には、社会人らしい丁寧な応対を心がけましょう。

 

おまとめローンはある?

おまとめローンというのは複数の借入を一本化するローンで、貸金業法で定められたものを指します。中小業者でも取り扱いがあります。

 

貸金業法には総量規制という規定があり、ここでは利用者は自分の年収3分の1を超える額を貸金業者から借りることができません。おまとめローンはその例外となる規定で、顧客に一方的に有利になる借り換えのときには、その規制を超えた額を借りることができます。

 

そのため、貸金業法に基づくおまとめローンの利用では、借り換えた後に既存の借入よりも条件が有利となる必要があります。

 

借りるほうに「一方的に有利」ということは、貸す側にとっては一方的に不利であることを意味します。貸す側の一方的不利とは、金利の引き下げです。

 

おまとめローンというローン商品があるということは、貸金業法に基づいて、総量規制を超えてなおかつ金利を優遇するローンがあるということです。

 

このローンを提供するかどうかは、業者の判断に任されています。すべての消費者金融業者で取り扱いがあるとは限りません。大手でもそうですし、中小の業者ならなおさらです。

 

そのため、中小の業者を利用するうえでは、貸金業法に基づく借り換えのローンがあるかどうかを確認しておきましょう。公式サイトを見てみるなどの調査は必要です。

 

街金でおまとめローンを利用するメリット・デメリット

審査で融通してくれる

消費者金融は業者によって審査の基準も方法も異なります。中小の業者である街金の場合には、担当者個人がすべてを担っているケースもあります。逆に考えると、その担当者が大丈夫と判断したら、他社では断られた人でもお金を借りることができる可能性があるということです。

 

おまとめローンでも、大手では相手にしてもらえない人でも街金ならチャンスがあります

 

消費者金融の審査はスピーディなのが特徴です。申し込みをしてその日のうちにおまとめローンが融資されるのは、こういった民間業者の良い点でもあります。

 

貸付審査の可否は通常、担当者が1人で決めているのではありません。大手の業者では個人情報を元にして融資可能な額を算出する仕組みになっています。与信スコアリング審査と呼ばれています。

 

これは、大手が膨大な情報とデータを持っているからこそ実現できるものです。小規模の街金には、そういったシステムはありません。担当者が個人の裁量でローンの審査の可否を決めることがほとんどです。そのため、審査に融通が効きます。

 

その人の個人的な事情を考慮したうえで審査をしていきます。たとえ信用情報に傷があっても、街金ではおまとめローンを組むことができる可能性があります。

 

信用情報に自信がないときに使える

おまとめローンの利用を検討しているということは、すでに複数の業者から借入があり返済に困っているという状況でしょう。返済日も1ヶ月に数回あると、管理に手間がかかるため、いつも借金のことを考えているという精神状態になってしまいます。

 

ここで大手の業者には申し込みにくい状況になっていることも多くあります。返済してはすぐにそこから借りて別業者に返済するといった状態になっているとき、どこかの返済に遅れてしまっていることは珍しくありません。

 

返済の遅延は1回や2回、それも1日とか2日程度なら問題になりません。うっかり忘れるということは誰にでもあることで、業者もいちいちそういった遅延でうるさく言ってくることはありません。事務的に催促電話をするだけでしょう。

 

ところが、あまりに回数が多かったり、大幅な遅れをしてしまったりしていると金融機関としても見過ごせなくなります。「この人は返済がまともにできない人だ」と判断して個人信用情報機関にネガティブ情報を登録します。いわゆる「ブラックリストに載っている」状態になります。

 

そうなると、大手の業者ではおまとめローンどころか、契約もしてもらえません。こういうときにこそ、中小の業者、街金に相談してみましょう。ブラックリストに載っているからといって決して「貸してはいけない」わけではなく、業者の自己判断に任されています。

 

そのため、街金ならある程度の融通を効かせておまとめローンを申し込める可能性がります。ただ、おまとめローンも審査では、定職に就いていて毎月の返済に充てるだけのお金を用意できることが絶対条件です。

 

限度額は控えめ

カードローンでも街金の限度額の設定は大手業者よりも低めの設定ですが、おまとめローンでも同じです。おまとめローンは複数の借入を1つにまとめるローンですので、まとめたい債務の合計以上の限度額でなければ意味がありません。

 

人によっては街金のおまとめローンを利用しても中途半端になってしまうことも考えられます。150万円をまとめたいのに、限度額は100万円しかなかったというケースもあり得ます。

 

それでも、街金は審査が通りやすいので利用を検討する価値はあります。

 

たとえば、すでに3社から借りているときに、そのうち2社だけを街金でまとめるという方法も悪くありません。今まで月に3回あった返済日が2回になり、返済額も減るため生活はぐっと楽になります。

 

おまとめローンはとにかく、審査に通ることが最重要です。まずは審査に通してもらって、返済を続けることができる状態に持っていきましょう。

 

ただ、おまとめローンを利用するならすべての債務を一本化できたほうが良いに決まっていますので、街金のおまとめローンの優先順位はどうしても下がってしまいます。自分の借入と返済の状況から考えて、どのようにまとめていくと完済に至れるのか計画を立てましょう。

 

審査に時間がかかる

街金は、個人属性が弱い人やブラックリストに載っている人、信用情報に傷がある人に対しても融資を行っていますが、その分だけ審査は慎重に行います。これはカードローンでも同様で、街金では申し込み当日に即融資ということは珍しいパターンです。

 

おまとめローンの利用を検討している人には、今借りているところへの返済日が迫っているということもあるでしょう。できる限り早い融資を希望しているケースもありえますが、街金のように審査に時間がかかるときには、期限に間に合わないこともあります。

 

街金のなかには、提出すべき書類の数が大手よりも多いという業者もたくさん存在します。これは、たとえ個人属性が弱くても、どこかプラス面を見つけてそこを評価しようという姿勢の現れです。街金の利用では、提出書類をまとめるのに時間がかかります。急ぎのおまとめには向いていないと言っていいでしょう。

 

大手のおまとめローンでは即日融資というところもありますが、街金では1週間以上かかることがほとんどです。情報を良く調べて検討しましょう。

 

安心して利用できる街金のおまとめローン

中央リテール

中小の業者でおまとめローンを検討する場合には、まずは中央リテールを考えてみましょう。ここはおまとめローンの専門業者で、複数の借入で返済計画に無理がかかっている人や、毎月の返済日が多くて管理が大変という人などが利用しています。

 

金利 実質年率10.95%~13.0%
利用限度額 500万円
最短融資 最短翌営業日
返済期間 最長10年

 

中央リテールのおまとめローンは審査が早いのがメリットです。審査結果は最短2時間程度で通知されます。審査に時間がかかると、返済日に間に合わないというケースがありますが、中央リテールはスピード審査ですので、急ぎの用立てに向いています。

 

限度額が500万円というのは中小の業者では高めの設定で、個人が貸金業者から借りている債務のおまとめには充分でしょう。

 

注意したいのは、おまとめローンの契約と融資では、中央リテールの店舗に申込者が行かなくてはならないという点です。店舗は東京都渋谷区にあります。地方在住の人でも利用は可能ですが、

契約・融資では必ず渋谷の店舗に行く

必要があります。

 

 

フクホー

フクホーは、中小の業者としては知名度があり、ネットでも利用した体験談の多い業者のひとつです。大阪の業者ですが、ネット経由で全国から申込可能です。審査がスムーズに進めば即日での融資も可能ですので、急ぎのおまとめにも向いています。

 

金利 実質年率7.30%~18.0%
利用限度額 200万円
最短融資 最短翌営業日
返済期間 最長10年

 

注意したいのは、限度額が200万円という点です。人によっては足りないというケースもあるでしょう。自分の債務が200万円でまとめきれるかどうか、しっかり計算しておきましょう。

 

また、フクホーは審査の際に提出書類が多いのが特徴です。通常、おまとめローンの審査では「本人確認書類」「収入証明書」が2つがあれば充分ですが、フクホーではこの他に住民票原本や、フクホーが必要と認めた書類はすべて用意する必要があります。審査には1週間から2週間ほどかかります。この点も注意しましょう。

 

他社ですべて断られたが、フクホーでは借りることができたという報告はネットに非常に多く寄せられており、独特な基準で審査していることがうかがえます。個人属性が弱い人、また信用情報に傷がある人にでも貸す業者として知られています。

 

 

アロー

愛知県名古屋市に本店を構えるアローは、いわゆるカードローンを提供する業者ではなく、フリーローンの専門業者です。カードローンのように、限度額の範囲内で自由に何度でも借入・返済を繰り返して利用することはできません。住宅ローンやマイカーローンのように、いったん借りたら後は返済する一方になるローンです。

 

金利 実質年率15.0%~19.94%
利用限度額 200万円
最短融資 記載なし
返済期間 最長15年

 

特徴的なのは、金利が高めという点です。最低金利で15%というのは、民間の業者としては最も高い部類に入ります。逆に、返済期間が15年と長期に設定できるという点はメリットでしょう。

 

返済期間が長いということは、毎月の返済額を低く抑えることができます。毎月の返済が苦しいという場合にはおすすめできる業者です。

 

以下のような独特な申し込み条件があるので注意しましょう。
  • 申込時に25歳以上65歳以下であること。
  • 健康保険に加入していること。
  • 勤続年数が1年以上であること。

 

通常のローンは申込時年齢は20歳以上ですので、この点で厳しく見ていると考えられます。また、勤続年数を1年以上と明示している点も注目です。勤務の安定性を重視していると考えられます。また、健康保険に必ず加入しているとされているのもユニークと言えるでしょう。

 

 

ライフティ

中小の消費者金融業者のなかでも人気があるのがライフティです。通常のキャッシングだけでなく貸金業法に基づく借り換えローンにも対応しており、総量規制を超えて借りることができます。

 

金利 実質年率8.0%~18.0%
利用限度額 300万円
最短融資 記載なし(即日融資不可)
返済期間 最長10年

 

審査は柔軟ですが、借入の条件としてはやはり大手よりはスペックは劣ります。金利も高めですし、限度額は300万円となっています。返済期間も標準的なレベルで特に有利というわけでもありません。審査の通りやすさ重視という人向けのローンです。

 

ライフティのおまとめローンで注意したいのは、まとめられるのは「元金部分のみ」という点です。利息分については自分で別に用意する必要があります。

 

どこの金融機関でも利息は日割り計算で、ライフティでおまとめローンを利用して返済したとしても、前回の返済からの利息は残っていますので、そのままでは完済になりません。借入残高によりますが、数千円から高ければ数万円の利息を自分で用意する必要があります。

 

審査では返済能力が重視され、申し込みすると電話連絡などによるヒアリングで現状を報告する必要があります。このヒアリングで曖昧な返事をしたり、横柄な態度を取ったりすると審査で不利ですので、注意しましょう。

 

現状をしっかり認識したうえで申し込みする必要があります。

 

 

エニー

エニーは、信用情報に問題のある人にでも柔軟に審査してくれることで知られている業者です。インターネットでの受け付けがメインで、全国からおまとめローンの申し込みが可能です。電話の応対が良いという評判もあり、申し込みしやすい業者と評価されています。

 

金利 実質年率5.0%~15.0%
利用限度額 500万円
最短融資 最短翌営業日
返済期間 最長10年

 

限度額が500万円と、中小の業者にしては高めの設定になっています。貸金業法に基づく借り換えであるため、おまとめ前よりも必ず有利な条件で借りることが可能です。最低金利が5.0%という設定になっているので、低金利で借りていたローンからの借り換えも可能です。

 

エニーが独自に設定した基準によっては審査するため、大手よりも融通が効くというメリットがあります。審査はネット申し込みで可能ですが、実際の融資では東京の本社に行く必要が出てくる可能性もありますので注意しましょう。

 

借入額が多い人や信用情報に問題のある人にヒアリングして審査するためと考えられます。信用情報についてあまりに深刻な状態になっている場合には、エニーでも引き受けきれないことがあることも推測されます。

 

まとめ

街金と呼ばれる中小の業者でもおまとめローンの取り扱いはあります。大手にはない審査の柔軟さがあるため、個人属性や信用情報で自信のない人におすすめできます。