中国銀行のおまとめローンは利用しやすいのか検証

 

中国銀行は岡山県岡山市に本店を置く地方銀行で、広島県や香川県に支店を構えています。

 

多くの地方銀行がおまとめ専門のローンから撤退するなか、「おまとめフリーローン」という名称で既存借入の一本化のためのローンを提供している貴重な存在です。

 

中国銀行「おまとめフリーローン」の特徴

メリットが多い

申し込み条件が緩い

中国銀行のおまとめフリーローンは、既存の借入を1つにまとめるという目的ローンです。多くの地方銀行がフリーローンを提供していますが、あくまで「おまとめローンにも使えるローン」であって専用ではありません。

 

この点、中国銀行が提供しているものは、おまとめに特化しているため、数多くのメリットがあります。その1つが、申し込み条件が緩いという点です。

 

おまとめローンのなかには「正社員や派遣社員など給与所得者のみ」という条件が付いているものもありますが、中国銀行のおまとめローンはパートやアルバイトでも申し込みでき、専業主婦の人でも申し込みが可能です。

 

これは全体的に審査が柔軟であることを示しています。

 

また、年齢条件も「完済時が満75歳以下」と高めに設定されています。年齢制限が高いローンほど審査も柔軟というのは、おまとめローンに限らずすべてのローンについて言えることで、中国銀行はなるべく多くの人に利用してもらおうと考えていると推測できます。

 

返済期間が長い

また、返済期間が長めの設定になっているのもメリットでしょう。通常のおまとめローンは長くても返済期間は10年です。

 

もし500万円をおまとめした場合、10年ローンではざっくりと年間50万円以上を返済しなければなりませんが、15年であればざっくり年間35万返済すれば良いということになります。

 

限度額300万円以下なら収入証明書不要

おまとめローンは通常、希望限度額がいくらであっても申し込みでは収入証明書が必要になります。消費者金融業者では「1社につき100万円以上の申し込み」では必ず申込者から収入証明書を提示させることと法律が定められています。

 

ところが、中国銀行のおまとめフリーローンでは、融資希望金額が300万円以下なら所得証明書が原則的に不要です。これはかなり珍しい事例です。

 

所得をごまかして申告することは禁物ですが、ある程度甘く見ていることが推測されます。なるべく多くの人に利用してもらうという意志が感じられます。

 

おまとめフリーローンの概要

中国銀行の提供するおまとめローンは、正式な商品名は「ちゅうぎん おまとめフリーローン」です。フリーローンというのは基本的に資金使途は自由なローンなので、実際にはおまとめ以外の利用方法も容認されます。

 

ただ、おまとめローンとして申し込むと、それ以外の目的で申し込む場合と審査の基準が若干異なりますので、申し込みでは目的を明確に通知するようにしましょう。

 

ちゅうぎん おまとめフリーローンの概要
利用条件
  • 申込時年齢満20歳以上満69歳以下
  • 完済時年齢が満75歳以下であること
  • 安定継続した収入があること
融資限度額 10万円以上~500万円以下
金利(実質年率) 6.8%、9.8%、12.8%、13.8%、14.5%のいずれかの固定金利
返済期間 15年以内
担保・保証人 不要

 

無担保・無保証人のローンですが、アイフル株式会社の保証が受けられることが条件です。

 

収入は安定して継続していればよく、アルバイトやパートでも申し込み可能です。ただし、年金受給者とその配偶者は利用できません。この他、中国銀行所定の融資条件を満たしていることも必要です。

 

金利は5種類の固定金利を審査によって決定して適用します。地方銀行のおまとめローンには変動金利制のものもありますが、ちゅうぎんのおまとめフリーローンは固定金利ですので、ずっと変わらないため返済計画は立てやすいでしょう。

 

おまとめ専用のローンである

中国銀行「おまとめフリーローン」は既存借入の完済に特化したローンです。そのため、通常のフリーローンとは申し込み条件も違いますし、審査基準も異なります。

 

通常のローンとのサービス内容の違いは以下のようになります。
商品 おまとめフリーローン フリーローン
目的 他社借入の完済 自由
条件 満20歳~69歳 満20歳~65歳
融資額 500万円以内 500万円以内
融資期間 15年以内 6ヶ月~7年
優遇金利 なし あり

 

通常のローンとの違いとして大きなものは年齢制限です。おまとめフリーローンのほうが年齢上限が高く設定されていますので、その分だけ幅広い層から顧客を募っていることが分かります。

 

また、融資期間も長めになっており、通常のローンとは審査内容も異なることが推測されます。

 

融資額は一見同じですが、おまとめフリーローンは設定が1万円単位で通常のフリーローンは10万円単位となっています。ここからも、おまとめフリーローンのほうが既存借入返済に特化していることがうかがえます。

 

まずは既存の借入をきれいに清算して、後はじっくりと返済を継続するという商品設計になっており、「借金生活から脱却したい」と考えている人にうってつけの商品と言っていいでしょう。

 

中国銀行「おまとめフリーローン」の申し込み

借入まで1週間程度

中国銀行のおまとめフリーローンは、通常の手続きがスムーズに運べば申し込みから借入まで1週間程度で済みます。おまとめローンとしては標準的なレベルでしょう。なかには2週間もかかるというところもあります。

 

契約後は即日で利用可能で、来店で契約してすぐに他社返済することができます。

 

中国銀行に口座がないと利用できませんが、融資までに開設しておけば審査には影響しません。公式サイトでは来店しての契約をすすめており、担当者と面談しながら申し込む方法が良いでしょう。

 

申し込み方法は3つありますが、電話での申し込みは中国銀行のキャッシュカードを持っている人に限るので注意しましょう。

 

3つの申し込み方法

申し込みには、

  1. ホームページ
  2. 電話
  3. FAX

の3つの方法があります。

 

実際にはホームページからの申し込みが手早く便利でしょう。中国銀行のホームページの「おまとめフリーローン」のページにある「3分で入力完了・24時間受け付け」の仮審査申し込みフォームから必要事項を入力して送信しましょう。

 

申込金額は「1万円単位」で入力しますので、自分の借入額が総額でいくらなのか計算して間違いなく申告しましょう。

 

中国銀行のキャッシュカードを持っている人に限り、電話連絡で仮審査を申し込むことができます。すでに中国銀行に口座があるので、簡単な質問に答えるだけで審査してもらえます。

 

FAXで申し込むには、中国銀行の窓口やATMに備え付けているリーフレットを持ち帰り、必要事項を記入して本人確認書類のコピーとともにリーフレット記載の送信先にFAX送信します。

 

必要書類は?

中国銀行のおまとめフリーローンでは、まず仮審査を受けて通過できたら本審査を受けるという流れになります。

 

必要な書類は以下のようになっています。
  • 本人確認書類:運転免許証、パスポート、個人番号カードのいずれか1点。
  • 健康保険証
  • 借り換え対象となるローンの返済状況が分かる書類

    直近の返済の明細書。ネットのみの契約である場合には相談が必要。

  • 前年所得が分かる書類

    源泉徴収票や確定申告書など。融資額が300万円以内のときには不要。また、契約時には普通預金の届出印が必要になります。これは中国銀行の預金口座と同じものを用意します。

 

中国銀行「おまとめフリーローン」の審査は厳しい?

金利が高め

中国銀行は、おまとめフリーローンの他に通常のフリーローンも提供しています。この2つには若干ですが金利の違いがあります。

 

フリーローン おまとめフリーローン
6.8%~14.0% 6.8%~14.5%

 

フリーローンには「6.8%~8.0%」「8.8%~10.0%」といった金利の幅が設定されていて、おまとめフリーローンよりも若干有利な条件になっています。その分、おまとめフリーローンは金利面では不利で、その分審査に柔軟性を持たせていると考えられます。

 

融資金額は高めに設定されていますが、融資期間が長いため審査でも返済能力の判断で融通を効かせてくれることが期待できます。

 

また、フリーローンには金利の優遇制度があります。中国銀行に給与振込口座がある場合などで金利が割引になりますが、おまとめフリーローンにはそういった制度はありません。

 

この点でも、おまとめフリーローンに申し込みする人が基本的に長期での返済を希望しており、借入額が大きくなりがちなことを意識して設計されていることが分かります。その分、審査基準も独自に設定されていて、申込者の事情を考えて審査してもらえることが推測されます。

 

5秒診断から推測すると

多くの金融機関で、個人向け融資で「簡単診断」や「お試し診断」というシミュレーションのページが設けられています。

 

これは仮審査を受ける前に、おおよそ借りることができるかどうかを4つ程度の項目によって判断するもので、特に審査に影響はありませんが、何を入力項目とするのかによって、金融機関が重視している事柄を推測することができます。

 

中国銀行の「おまとめフリーローン」にも「5秒診断」というページがあります。

 

そこで入力する項目は以下の4つです。
  1. 年齢
  2. 前年度年収
  3. 他社からの借入総額
  4. すべての借入の年間返済額

 

注目すべきなのは、最後の項目です。年間返済額には住宅ローンもすべて含みます。これは、その人の収入から見て、どの程度返済できる能力があるかを診断しようとしています。ここから、中国銀行ではその人の借入に関する状況のすべてを把握したいという考え方が読み取れます。

 

ネットユーザーの調査で、この5秒診断は年収以上の借入総額があっても診断のうえでは「審査に通過できる可能性がある」と表示されることが分かっています。

 

たとえば年収が200万円のとき、借入総額を240万円、年間返済額を90万円としたときに「借入できる可能性がある」と診断されています。年収300万円のときは「借入総額:240万円・年間返済額:160万円」までなら借入可能と診断されます。

 

これをそのまま適用できるとは限りませんが、年収から見て多少高額になる借入でも、中国銀行のおまとめフリーローンの審査に通過できる可能性があると推測できます。

 

こういう人はNG
1.信用情報に問題がある

審査ではある程度の融通を効かせてくれそうな中国銀行のおまとめフリーローンですが、それでも信用情報に問題があるときには審査は厳しい結果が出るでしょう。たとえばカードローンやクレジットカード、携帯電話の分割払いで2ヶ月を超えるような延滞があるケースでは金融事故を起こしたとみなされます。

 

この状態ではどのローンでも審査には通過できません。延滞している状態からおまとめローンを組むのは無謀です。もし、何か延滞しているローンがあれば、それを返済してから申し込みましょう。

 

注意したいのは「申し込みブラック」という状態です。カードローンやクレジットカードの申し込みを1ヶ月以内に3社以上行った人はそれだけで審査では不利になります。

 

「数撃ちゃ当たる」と考えて、多くの金融機関にいっぺんに申し込みしてみるという人は相当数いると言われています。短期間で複数の借入の申し込みをすると「この人はどのローンでも審査に通らない人ではないのか」「そんなにお金に困っているのか」と判断されて審査ではマイナスです。

 

2.在籍確認が取れない

中国銀行のおまとめフリーローンでは、ほぼ必ず在籍確認があります。これは、銀行の担当者が個人名で職場に電話を掛けて本人を呼び出してもらうことによって、働いている実態があることを確認する作業です。

 

職場の人が電話に出て相手の社名を尋ねたときに「中国銀行です」と答える可能性があります。こういう場合に備えて、たとえば「クレジットカードを申し込んだ」「クレジットカードの申し込み内容の確認の電話だった」などといった言い訳をしておきましょう。

 

在籍確認が取れないと、審査には通過できません。金融機関から直接職場に連絡が来るのはいい気持ちはしませんが、これは欠かせない工程です。

 

3.保証会社でトラブルを起こしたことがある

中国銀行のおまとめフリーローンの保証会社はエム・ユー信用保証です。ここはアコムと三菱UFJ銀行とかかわりがあり、他にも地方銀行の保証会社として多くの審査を行っています。

 

この保証会社が保証しているローンやクレジットカードなどでトラブルを起こしたことのある人は、審査では非常に不利になります。

 

注意したいのはアコムです。アコムで返済遅延などの事故を起こしたことがあるとき、それが何年前であろうと社内ブラック・要注意人物としてマークされている可能性があります。

 

自分の過去の金融機関の利用履歴を振り返っておきましょう。

 

まとめ

中国銀行のおまとめフリーローンは、2018年に投入されたローン商品であるため、審査の通りやすさなどについては不透明な部分がありますが、元来のユーザーにとっては検討に値するローンと言っていいでしょう。